CCDOPS(SBIG社製CCDカメラ標準制御ソフト)機能・クローズアップ
「カラー撮影 → CCDOPS・Ver5.47Jソフト機能一覧取り説13ページに掲載



カラー撮影(Color Processing)とは、、、
ズバリ名の通りの「カラー合成用の各画像」を自動的に撮影/保存する事のできるコマンド。「自動撮影」とは←こちらをご参照頂くと致しまして、その「自動撮影」を電動フィルターホイールを自動制御して「R(赤)画像」「G(緑)画像」「B(青)画像」の全てを一行程で撮影して保存を行なうという、こちらも「SBIG社製特製」の画期的な特殊撮影法の一つ。
このコマンドを実行するためには、「電動フィルターホイール(CFW/FW)」等が別途必要となりますが、予め「露出時間」等を指定する事で、カラー合成に必要な各画像をまとめて取得できるのが最大のメリットです。こちらもSBIG社が誇る単なる「カメラ制御ソフト」では留まらないCCDOPSソフトウエアの標準付属「特殊コマンド」の一つ。


対応機種: 

SBIG社製の一部を除く全てのCCDカメラ機種。(非対応:ST-4/ST-V/SG-4/「ワンショットカラー機」など。)
 ※2012年2月現在、ST-8300/ST-X/ST-iシリーズは英語版での対応となります。
 (コマンドの配置/系列は英語版でも下記と同様です。)

必要パーツ: 

上記各種「CCDカメラ」一式・CCDOPSソフトウエア(Ver5.47J)・各CCDカメラに最適な電動タイプのフィルターホイールのいづれか:ST/iシリーズ「CFW-6A/8/9/10」・ST-402シリーズCFW-402」・ST-Xシリーズ「FW-16803(仮称)」・ST-8300シリーズFW5-8300」・ST-5C/237(A)シリーズ「CFW-5C」・ST-4X/5/6(A・B)シリーズ「CFW-6A」。※ST-4000XMにつきましては、サードパティ製のの電動フィルターホイール(オプテック社製など)のご用意が必要となります。
 ※STLシリーズはCCDカメラに標準付属。FW-8も対応可能。
 ※CFW-10・SAは「CFW-10(シリアル)」設定(CCDOPSソフト内)にて対応可能。

準備が必要なもの: 

各種CCDカメラのセットアップ(パソコンへの通信確立、温度設定など撮影準備のすべて)・望遠鏡のセットアップ(全般)などなど、本番撮影の準備全般。



それでは実際の撮影方法について触れてゆきましょう!


↓ 通信確立後、以下のコマンドを実行します ↓



↓ 次に以下のパラメータを設定します ↓



露出時間: 
ここでは「赤」フィルターでの撮影時間を単位「秒」で指定します。
ダークフレーム: 
ダークフレームを指定。例は「ライト+ダークの自動減算撮影」を実行します。
画像サイズ: 
撮影を行なう「CCD素子のエリア」を指定。フルサイズ=100%の面積を使用。
「%」: 
CCD素子上の「任意の場所」の画素/範囲のみを指定して撮影を行ないます。
(詳細は
CCDOPSソフト機能一覧取り説13ページに掲載致しております。)
遅延時間: 
撮影と撮影との間のタイムインターバルの指定。単位は「秒」です。
撮影方法: 
「ノーマル撮影」:通常のスナップ(単枚数撮影)を実行します。
  「自動撮影」:こちらの撮影を実行します。

↓ 「OK」をクリックすると ↓



ファイル/フォルダ: 
ボタンクリックで「フォルダの作成場所」と「ファイル名」を指定します。
画像データタイプ: 
撮影する画像のファイル形式を選択。「FITS」や「TIFF」なども選択可能。
赤露出枚数: 
「赤フィルター」での露出時間を指定。このパラメータは上記「露出時間」の自動入力となります。もちろんこの時点でも変更入力は可能です。
緑露出枚数: 
「緑フィルター」での露出時間を指定。このパラメータは上記「赤露出時間」に対しての「倍数」となります。任意の入力が可能です。
青露出枚数: 
「青フィルター」での露出時間を指定。このパラメータも上記「赤露出時間」に対しての「倍数」となります。任意の入力が可能です。



解説

上記では「デスクトップ」に「ColorGrab(100405_M16)」というフォルダを作成、ファイル名も同様の名称にて自動撮影を設定。


↓ 「保存」をクリックすると ↓



解説

以上にて指定選択した結果が上記となります。内容を確認の上、変更がないかを確認します。


↓ 「OK」をクリックすると ↓





解説

まずは、カラー撮影のホームポジションである「赤フィルター」の位置に電動フィルターホイールがポジショニングします。


↓ 次に ↓





解説

今回の場合にはダークフレームの撮影を併用していますので、「ダークフレーム」→「ライトフレーム」のそれぞれの撮影を開始してゆきます。撮影が終わりましたらその画像が指定されたフォルダに自動的に保存されます。


↓ 更に ↓







解説

フィルターのポジションが「緑」に移動します。CCD素子の温度が一定に保たれているために「ダークフレーム」は上記の「赤フィルター」の時のものを流用します。(これも自動判別してプログラムを続行。)それから「ライトフレーム」の撮影を開始します。(撮影が終わると自動保存されます。)


↓ 更に更に ↓







解説

さて、いよいよ最後のフィルター位置「青」での撮影が開始されます。


↓ そして ↓





解説

青フィルターでの撮影が終了しましたら、「カラー撮影」のコマンドは完成です。(最後に赤フィルターに戻ります。)


↓ 撮影完了! ↓



解説

さて、それぞれの撮影が全て完了しました。今回の場合には保存先のフォルダを「デスクトップ」上に作成/指定しましたので、上記のフォルダ内に撮影された画像(RGB各一枚づつ計3枚)が保存されているはずです。確認してみましょう。




解説

「ColorGrab(100405_M16)」は上記にて指定した「ファイル名」。これらのファイル名には「フィルターの種類」を示す文字列は記載されていませんが、拡張子(「.R」「.G」「.B」)は上記では表示を省略する設定の為に表示されいないだけで、データ上では割り振られています。


以上にて「カラー撮影コマンド」の解説は終了です。 続いて上記にて取得した画像を「カラー合成」してみましょう!




CCDOPSソフトウエアでの「カラー合成」処理の実際


↓ 以下のコマンドを実行します ↓





(各色の)ファイル名設定: 
ボタンクリックで「ファイル」を指定します。
コントラスト強調: 
カラー化される画像のコントラスト強調を指定。通常は「1.00(100%)」でOK。
「← →」「↑↓」: 
各画像間での位置合わせ(ズレ補正)に使用。
(各色の)係数: 
このパラメータは各色画像の個別「コントラスト強調」。1.00=100%で設定。
合成開始: 
上記のパラメータで「三色カラー合成」を実行します。なお、このダイアログはコマンドを実行中に常に画面上に常駐しますので、何度でも繰り替えしボタンクリックを行なっていただけます。

解説

まずは、各色の画像の「ファイル名」を指定します。「赤画像」のファイル名設定から行ないます。


↓ 「ファイル名指定」をクリック ↓



解説

「ファイルの種類」パラメータに「赤色ファイル」と指定されていますので、ダイアログに表示されているファイルが「赤の画像」という事になります。この画像をマウスクリックで選択、最後に「開く」をクリックします。


↓ 同じ手順にて「ファイル名指定」をクリック ↓





解説

同様に「緑」と「青」のファイルを選択、「開く」をクリックします。


↓ すると ↓



解説

最終的に全てのパラメータを確認します。問題がなければ「合成開始」をクリックします。


ちなみに、上記で使用した各色の画像イメージは以下のものです。









赤(Hα)画像 緑画像 青画像


↓ ↓ ↓ 上記を合成した画像が ↓ ↓ ↓


カラー合成用撮影での作例(M16:合計45分)

合成素材の取得方法・仕上げ

RGB各フィルターで当「カラー撮影」を5回実行。それぞれの画像を「5枚ずつ」加算合成(取り説31ページ)で処理。最終3枚(RGB各一枚づつ)を上記「RGBカラー合成」にてフルカラー化。



撮影データ(M16)
 撮影システム  鏡筒:31cmニュートン反射/ 架台:???赤道儀
 使用CCDカメラモデル  SBIG製「ST-8XE・NABG」(現行機種はこちら)+CFW-8A(現行機種はこちら
 露出時間(など)  合計45分HaGB撮影)HαGB:各3分 x5枚をコンポジット。
 使用フィルター  Hα:不明/GB(各):CS社製RGBフィルター


コマンドアクセス:
「CCDOPSソフトウエア(Ver5.47J)」「カメラ」「撮像」「カラー撮影(パラメータ)」
コマンドの詳細:
「CCDOPS Ver5.47J」機能一覧取扱い説明書の「13ページ」に掲載がございます。





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